鳥海山と日本海のほど近く、遊佐町の道の駅や温泉が並ぶスポットに、2023年「たちかわ製麺所」がオープンしました。こちらは酒田市の人気居酒屋「楽食家たちかわ」が営む蕎麦処。店主の堀米さんが開業を決めたのは、コロナ禍の時期でした。「身体にいい食事を見直して、蕎麦の栄養を再確認しました。居酒屋の休業中に蕎麦打ちを習って、せっかく時間ができたので近場の観光地を回ってみたんです。遊佐町の旧青山本邸を訪ねた際、青山留吉の起業家精神に感銘を受けて。私も50歳の節目に何か新しく始めてみようと思いました」。
メニューは蕎麦そのものを味わうものから、具材との組み合わせを楽しむものまで、堀米さんが修業した京料理のひと手間が光ります。食材の持ち味をさまざまに味わえるのは「たちかわ」の魅力の一つで、居酒屋と蕎麦店に共通する食材が「米の娘ぶた」です。
「この料理を作りたいからこの食材がほしいというのではなく、この食材ならこれを作ろうという発想です。『米の娘ぶた』のうま味と脂の甘みが生きるように、豚肉は注文を受けてから火を入れて仕上げます」。だしが香る麺つゆと、ほどよい辛さのカレーが、七割蕎麦とたくさんの具に絡むカレー南蛮蕎麦。その中でも豚肉の甘みがしっかりと感じられます。「『米の娘ぶた』を使い始めたのは随分前で、大商さんからはずっと応援してもらってきました。食材の良さありき、人とのつながりありきで、感謝し感謝されるお店でありたいですし、お客さんからは食べることの幸せを感じてもらえたらと思っています」。
いつも心地よいにぎわいに包まれている「たちかわ」。あたたかい場所にはあたたかい人が集い、これからの寒い季節はことさら恋しくなる、そんなお店です。
温玉肉力蕎麦 1,380円(税込)
「米の娘ぶた」の肉そばに温泉たまごと餅まで加わった、ボリューム満点のごちそう蕎麦。小盛(1,280円)、大盛(1,630円)もあり。
店主 堀米 泰章 さん
蕎麦家 たちかわ製麺所
飽海郡遊佐町吹浦西浜2-52
営業時間/11:30〜14:30(14:00 LO)
定休日/月、火曜日
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
甘じょっぱいタレを絡めて焼いた「米の娘ぶた」のうま味が十分に味わえるレシピ。ごはんも進む、お蕎麦も進む、箸が進む一皿です。
「米の娘ぶた」のしょうが焼き
- 「米の娘ぶた」バラ肉
- 玉ねぎ 1/4個
-
【A】調味タレ
- しょうゆ 100ml
- みりん 50ml
- 酒 50ml
- 砂糖 10g
- にんにく、しょうが 各 小1片(すりおろし)
※野菜の付け合わせお好みで
- 豚肉は食べやすい大きさに切る。【A】をあわせて調味タレを作っておく。
- フライパンに薄く油をひいて豚肉と玉ねぎを加えて炒め、軽く熱したら少しずつ調味タレをかけて、味をみて調えながら炒める。タレが全体に絡んだらできあがり。加熱しすぎると豚肉が硬くなるので注意。
カレー南蛮蕎麦 1,330円(税込)
肉厚なバラ肉がたっぷりのった食べ応えのある一品。脂のおいしさには定評のある「米の娘ぶた」が、ピリッとほんのり辛いカレーにコクや甘みを与えてくれます。