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庄内から最上川を上流へ。山形市内からは30分ほどの白鷹町に2年前、中国料理のお店がオープンしました。町中華とはまた違う本格的な味を目当てに、地元内外から足を運ぶ人が増えています。
山の気配が色濃い白鷹町の道沿い、「真櫻」の看板が目に留まります。シェフの橋綱一郎さんが地元に構えたこちらは、この辺りでは珍しい王道かつ正統派の中国料理のお店です。メニューには、肉、海鮮、豆腐や野菜、点心、飯、麺、おこげ料理などの定番から、フカヒレの姿煮込みやアワビのオイスター煮込みといった高級食材を使ったものまで、上海料理の流れを汲んだものがそろいます。
「上海料理は中国でも比較的後発で、各地の料理の要素を取り入れて発展してきました。濃厚な味付けでも食材のうま味が引き立っているのが特徴です。ホテルのレストランで修業したその味を皆さんに楽しんでほしくて、味を薄くしたり万人受けするメニュー構成にはせず、信念を持って料理しています」。
そう話すシェフが中国料理に進んだきっかけは、高校の調理科の実習でのこと。それまで学んできた和食や洋食とは違うおいしさと調理法に感激しただけでなく、多用途な中華包丁を最初からうまく扱えたといいます。卒業後は県内のホテルのレストランで腕を磨き、中国料理歴も25年を数えようとする頃、念願のお店をオープンしました。
中国料理でも、豚肉は角煮や酢豚など定番の食材です。シェフはホテル勤務時代から使っていた「米の娘ぶた」をお店でも提供しています。「『米の娘ぶた』は甘みとやわらかさが際立っていますよね。豚肉本来の甘さが濃いめの味付けともよく合います。いいお肉なので下処理の手間がかからないのもいいですね」。中国料理は火をうまく使いこなす料理、とシェフ。角煮も酢豚も一度揚げて食感と香ばしさを加えています。
「角煮に使っている『米の娘ぶた』のバラ肉は、脂の入り方がちょうどいいんです」。赤身と脂がバランスよく層になっていることでコクと厚みが増し、上海料理の甘辛い味付けとも相性抜群とのこと。長く加熱した角煮も、高温で火を通した酢豚も、火入れの絶妙さでやわらかさと持ち味のうま味が保たれています。
「中国料理のお店を食べ歩いてきたというお客様が、うちの料理をすごく喜んでくださってうれしかったですね。今は地方でも本格的な料理が味わえますし、新しい料理を取り入れているお店も増えました。中国料理をより広く味わってもらえるように、多店舗展開をするのが今の夢です」。シェフが料理人を夢見たきっかけをたずねると、小学生の時に見たドラマだったとの答え。「あのドラマの世界に今も生きている感じ」と話すように、夢を原点とした熱意が一皿一皿に込められています。


オーナーシェフ 橋 綱一郎さん
白鷹町出身。山形学院高校の調理科に進学し、卒業後は山形五十番飯店の系列店での勤務を経て、志望していたホテルに入社し、レストランに配属。ホテルキャッスル、グランドホクヨウで経験を積み、独立。2024年4月、地元に「真櫻」をオープン。お店では、お父さんの仕事に憧れて調理師になったご長女が一緒に厨房を支えている。

お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
夜の人気メニュー、酢豚の本格レシピを教えていただきました。揚げ衣をつけるときにしっかり下味を入れることと、野菜の加熱時間はなるべく短く、火が入ったか入らないかぐらいで食感を出すのがポイントとのこと。
酢豚

- 「米の娘ぶた」肩ロース 150g
- 玉ねぎ 1/2個
- しいたけ 2個
- ピーマン 3カット
- にんじん 5カット
- たけのこ 8カット
- しょうゆ 25cc
- 酢 45cc
- ケチャップ 35cc
- 砂糖 60g
- 水 70cc
- ごま油 少々
-
〈豚肉の下味〉
- 塩 ひとつまみ
- こしょう 少々
- 酒 少々
- 卵 1個弱
- 揚げ衣(片栗粉、小麦粉1:1の割合)
※全体を混ぜた時に粉っぽさが残らない量で
- 肩ロースは食べやすい大きさに厚切りに。下味をつけて揚げ衣用の粉をまぶす。フライパンを熱して揚げ焼きにする。
- @の豚肉に火を通しながらカットしておいた野菜を入れて素揚げにする。
- 豚肉に火が通ったらAをフライパンからあげて油をきる。別のフライパンに油をひいて、材料と調味液を入れて、水溶き片栗粉(分量外)でとろみをつけ、加熱しながら混ぜ合わせる。最後にごま油を回しかけてできあがり。







角煮
「米の娘ぶた」のバラブロックを一度ゆでてからしょうゆをまぶし、高温で揚げてしょうゆが焦げるのを利用して色と香りづけ。その後カットして、スープにねぎとしょうが、八角、シナモンを入れて2時間ほど蒸す。その工程を経て、とろとろと味がしみた食感に。こちらは夜のメニュー。