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日本に「焼肉屋さん」が登場したのは1940年代といわれています。 在日コリアンによって伝えられた食文化が発展して、各地に焼肉店が登場し始めた1960年代、酒田にも一つのお店が誕生しました。
食道園ならカルビ、いや、私はロース、といったふうにたくさんの人が思い入れと思い出の味を持つ「食道園」。酒田の街なかで、世代を超えて通う人たちとともに時を重ねてきました。
「オモニが大阪から酒田に来て開いたお店で、酒田大火の前からこの場所にあると聞きました。オモニはとても料理上手で、家庭料理もおいしいんです。食道園のタレはそのオモニのレシピのままです」。現店長の金村幸子さんが、義母が創業したお店をご主人と一緒に手伝うようになって30年ほど。10年前にご主人を亡くしてからは、金村さんが切り盛りしてきました。
「オモニも私の旦那さんも仕事はすごく厳しかったです。特にお肉の切り方は、味を損なわないよう丁寧にと教わりました。今となってはその厳しさに助けられたと思っています。自分の力だけでは店長は務まらなかったと思うので」。
食道園が変わらずに親しまれているのは、けっして昔のままだからではなく、時代とお客様の嗜好に合わせてメニューを変えてきたことにあります。今では一般的になった銘柄牛も、山形牛をいち早く取り入れ、ヘルシー志向に合わせたラム肉や、地元食材の活用として「米の娘ぶた」の提供を早くから始めました。
「焼肉は、肉のうまみや食感、脂の質やタレとの相性などさまざまな味わい方がありますが、『米の娘ぶた』の良さはやわらかさとうま味です。煮込んだりソースを使って味付けした料理とは違って、焼肉は肉そのものの味が伝わりやすいぶん、炭火で焼くとやっぱりおいしさが違います。せっかくのいいお肉なので、一番おいしい状態で食べてほしいです」。
家族連れのお客さんも多い食道園では豚肉メニューの注文も多く、特に子どもたちからは「米の娘ぶた」のフランクが大人気だそう。「私が日本に来た頃からの常連さんがお子さんやお孫さんと一緒に来られたり、前に酒田に住んでいた県外の方が酒田に来るたびに寄ってくれたり、皆さんから『やっぱり食道園だね』って言ってもらえるのが本当にうれしいです。
今は物価高とかもあってみんな生活が厳しい中ですが、私もお店を大切に守っていくので、皆さんからもまたぜひ食道園に来てほしい。お客さんが楽しそうに食べたり飲んだりするのを見られるのが何よりの楽しみです」。


店長 金村 幸子さん
30年前に来日し、縁あって食道園を営むご主人と結婚。お店を手伝うように。10年前にご主人の逝去後、店長に就く。常連さんたちからは“さっちゃん”の愛称で親しまれている。

焼肉 食道園
山形県酒田市中町2-1-14
営業時間/
昼 11:30〜14:00(13:30LO)
夜 17:30〜22:00(21:30LO)
定休日/火、水曜日(昼は木曜日も休み)







「米の娘ぶた」
カルビ、ロース、フランク
「米の娘ぶた」メニューは単品のほかにお昼の「豚カルビランチ」でも提供。炭火の安定した高温と遠赤外線による加熱でジューシーに焼き上げ、脂が落ちて立った煙が肉に香ばしさを与える。